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ユートピア研究

『見つけ出すもの』ではなく『作り出すもの』、それがユートピア

41. ブラジルの弓場農場  ~生活芸術社会主義思想~ 

南米ブラジルのサンパウロからだいぶ離れた田舎に、不思議な農場が存在します。 そこは、強引な経済的成長を遂げてきたブラジルにおいて、変動的な社会環境や不安定な景気に振り回されることなく、様々な生い立ちの日本人が仲良く衣食住を分かち合い、土に親…

40. 伊藤勇雄の「人類文化学園共働農場」 ~多様民族文化共生主義思想~ 

岩手の高原地帯に暮らす、社会的地位もあった思想家:伊藤勇雄は、ある時全てを投げ打って南米に移住を決めました。 彼は70歳に届こうとしていました。 岩手において、社会運動や、農民運動、そして地域造りなどに情熱をかけて村議、県議、県教育委員長な…

39. 毛沢東の「人民公社」 工・商・農・学・兵が結合した「政社合一」の農業集団化機構

中華人民共和国の父と言われた毛沢東は、学生時代、魯迅の弟、周作人が中国に紹介した、武者小路実篤の「新しき村」に自分が求めていた「小さな連合」を見つけ、長沙西岸の湘江をへだてる岳麓山のふもとに新しき村の建設を計画しました。しかしその時には地…

38. ガンジーの「インド独立国家」 ~自給自足の独立経済思想~

インド独立の父として知られるガンジーが、イギリスからの独立を達成させ、インド内で対立する宗教や民族の共生共存を目指していたとは知られていますが、しかし、さらに求めていたことは昔ながらの自給自足の自立経済型農村社会を再建する事でした。 それは…

37. 武者小路実篤の「新しき村」 ~人道主義に基礎を置く「自他共生」の思想~

新しき村は、文学者武者小路実篤が創った、人生の自己実現を目指す理想郷である。 この村は、武者小路実篤氏が提唱した「人間らしく生きる」「自己を生かす」生活、社会作りに共鳴した人々と共に始められた運動で、一言で言えば理想的社会を作る運動と言って…

36. トルストイのイワン王国 ~無抵抗主義、反戦主義を反映した思想~

トルストイは、もっとも偉大な反逆者の一人であり、その長い嵐のような生涯を通じて、ロシア正教会や政府、文学的伝統、そして自身の家族とさえ対決した人でした。 そ反面で彼は保守主義者でもあり、科学的実証主義の時代にありながら、なお神の理想を飽くこ…

35. 旧ソ連の農業構造改革

山村理人、「チェコ、スロバキアの事例を中心とした分析」より 10月革命によって成立したソヴェト体制の下で,ロシア思想史は表面的には,完全に断絶したかに見える。 しかし少なくともスターリン体制確立前の1920年代,いわゆるネップの時期には,革命前に…

34. 農民ユートピア国を目指したソ連のコルホーズ

1917年の革命で権力の座についた共産党は、社会主義の理念にもとづいてまずロシア国内の工業の国有化を実現させた。 ついで1920年代の末から30年代の初めにかけて断行したのが農村における集団化である。それまでの農業は地主や小作人による個人経営の形で行…

33. シャルル・フーリエの産業的協同社会的新世界 集合計画都市である「ファランクス」

シャルル・フーリエはフランスの偉大な空想社会主義者のひとり。 商人であった体験からブルジョア社会の悪弊を手ひどく批判した。独特の発展段階に立つ歴史観から理想社会のくることを予想し、それの社会組織を構想したが、その費用を出してくれる篤志家のあ…

32.  ロバート・オーウェン: 工場経営者から「共産主義へ前進」

●多面的なその活動 労働者のための様々な構想を発案し、かつ実践した人としてロバート・オーウェン(1771~1858年)の右に並ぶ人は少ないだろう。「協同組合、労働組合、労働交換所、工場厚生福利施設、工場立法、世界最初の幼稚園、労働者新教育、…

31. イギリス最初の社会主義思想家ロバート・オーウェンの生涯

オーウェンが,ウェールズのニュータウンという町に生まれたのは,1771年であった。18世紀なかばごろから紡績業を中心に始まった産業革命が次第にそのスピードを速めながら,イギリス全土に広がりつつあった時期である。馬具や金物を扱う商人の家庭であった…

30. ニューハーモニー計画  庭園都市の「共同村」

ローバート・オーウェンはイギリスにおける最初の社会主義思想家であり実践家でもありました。19世紀のイギリス産業革命のまっただ中に理想社会の実現をめざした勇気あるユートピアンです。 彼は、 協同組合 労働組合 労働交換所 工場厚生福利施設 工場立法 …

29. イギリスの経済学者たちの試み

19世紀前半のイギリスは、ぞっとするような労働環境でした。 女子供に関係なく少年少女が昼夜をとわず鞭打たれ、1日16時間労働も珍しくはなかったようです。時には飼葉桶の中の残飯を豚と奪い合ったりするような、悲惨な待遇を受けていました。 上流階級の人…

28. イエズス会が築いた楽園「ミッション」

イエズス会を創立したロヨラの奉仕の精神と情熱は大変なもので、そして彼等がインディオたちを指導して南米に築き上げた「ミッション」(伝道村)はまさに情熱と努力の賜物として出来上がった「地上の楽園」でした。 しかし、このようなことは、牧場主、植民…

27. イエズス会について

イエズス会は、1534年、スペインの騎士道精神に富んだ武将として活躍した軍人イグナティウス・ロヨラによって設立された修道会です。 ロヨラは、プロテスタントとの戦いで瀕死の重傷を負ったことが彼の人生の転機となり以後、霊的体験を高め、学問に励み…

26. イエズス会のミッション(伝道村) 

南米のパラグアイには、世界遺産に指定された「トリニダとヘススの遺跡」があります。 この遺跡は、1608年にスペインからやってきたローマカトリック教の一派であるイエズス会の宣教師たちが現地のグアラニー族を改宗させ、そして彼等を文明的なクリスチ…

25. ハンコック・シェーカー教徒村 家具職人の集団社会

ピューリタン教徒を先頭とする宗教グループのアメリカへの移住は、家族単位での開拓事業でした。 その中、シェーカー教は18世紀終盤、アメリカ合衆国に起った厳格な清教徒の派で、「自給自足の共同生活」を基本的スタイルとし、木工の仕事に専門化し、アメリ…

24. クエーカーの社会的実践

友会徒の社会的実践は、すべての人に内なる光があるのであるから、人間は無限に尊く、はかり知れない可能性を有すること、そして人はその内なる光に従って行動する自由を持っている。 とくに平和問題については、最も重要な運動の一つとして、多くの友会徒に…

23. クエーカーの信仰の特質

友会徒は、すべての人の心のうちに常に神の力が働いていることを信じる。 このことを「内なる光」、「内なるキリスト」あるいは「キリストの種」などという。これがキリスト友会の信仰の基本である。 このように神が、わたくしたち一人一人に直接語り、そし…

22. クエーカーの歴史

キリスト友会は、17世紀半ぱ、イギリスにおいて、ジョージ・フォックスによって始められた宗教運動が機縁となってつくられたキリスト教の一派である。 フォックス達の「真理」を求める運動は、既成教会の形式的制度等に強く反発することから、国教会等によっ…

21. クエーカーとは

キリスト友会(クエーカー)は、17世紀の英国でジョージ・フォックスなどによって始められました。 礼拝は、静かな沈黙の中に、参加者が共に神の働きかけをひたすら待ち望みます。各自が神と直接交わることを強調し、信仰を生活の中で具体的に実践します。…

20. 新渡戸稲造もクエーカー教徒だった

日本のクエーカー教徒では新渡戸稲造が有名ですが、戦後今上天皇の家庭教師をされたヴァイニング夫人も教徒でした。 ともに太平洋の掛け橋となった人たちです。 そして日本では、新渡戸稲造の助言によって「普連土学園」が明治20年(1887年)、キリスト教のフ…

19. クエーカーたちが創った理想都市フィラデルフィア

~平和主義の資本家グループたちのこだわり~ 新大陸に理想郷を作るべくピューリタンたちと並んでアメリカに入り込んだ別のグループにクエーカー教徒たちがいました。 クエーカーは、17世紀の中頃のイギリスで、当時のキリスト教の儀式化・神学化に反対した…

18. 千年王国の思想と運動

千年王国の思想を、社会的、政治的、経済的に抑圧された階層による、自己救済を目的とした宗教運動として広く定義するとすれば、ヨーロッパ圏に限らず世界各地の社会に個別に存在してきました。 全く別の源流を持ち、独自に発展してきた思想が、千年王国論と…

17. ピューリタン革命に影響した「千年王国論」

最近の研究では、この清教徒たちの「大移住」には、「千年王国論」が大きく影響していると見られています。 千年王国論とは、キリスト教の宗教的解釈の一説で、『聖書』の「ダニエル書」や「ヨハネの黙示録」をもとに、将来キリストが再臨し、地上でキリスト…

16. ピューリタンの理想社会の実現 ~アメリカ民主主義の発祥~

アメリカとは何か、と言うことを考える場合、一つ、頭の隅にでも入れておくべき基本的なことがあります。 それは、アメリカは移民の国であり、ヨーロッパからアメリカへの初期の移民は宗教難民だったということでしょう。 その中でヨーロッパからアメリカへ…

15. ユートピア的企業<松下電気>

松下電器の場合は、創立者の人徳が大きく、従業員に対して親子のような関係があり、従業員も創立者に対して宗教的信仰に近い崇拝心をもったりしています。 しかし、創立者の松下幸之助の企業理念とは、企業は物を作ることによって社会を豊かにし、人間の幸せ…

14. ユートピア的企業<トヨタ>

例えば日本企業を代表するトヨタは、一つのファミリーとして成長し、どんなに巨大化しようとも役員から従業員まで結束と信頼関係が強い伝統的企業です。 そしてそこでは、基本的に終身雇用制であるのみならず、病院からホテル、レストラン、スポーツクラブな…

13. 企業家たちのユートピア:共同体的企業

まるで人類の中に静かにひそむ生命力の強い種子のようなユートピア思想とは、企業家の中にも芽をだしています。特に日本ではそれがだいぶ具体化されたようです。 アメリカを代表とする西洋経済圏では企業は、資本家のビジネスツールであるのに対して、日本型…

12. 科学者たちのユートピア:スペースコロニー

科学の発達に伴い科学者たちは、宇宙に地球外知的生物(ET)の存在について探査や調査を行い、その存在の可能性が強くなるにつれ、宇宙に地球より高度に発達した文明社会についての推測が立てられました。 そしてそれを基に多くの空想科学小説や漫画、映画な…

11. 建築家たちによるユートピア都市の設計

政治家モアが描いた「ユートピア」は、都市型理想社会といわれるもので、そこでは都市機能の利便性が問われる部分が大きく、これは都市設計を専門とする建築家たちにも大きな課題を投げかけてきました。 この中で、建築家の中にも人類の未来を考え、地球の環…

10. 宗教者たちのユートピア造り

ユートピアの中には宗教思想が土台となり、安定した理想的社会を築き、地域社会から尊敬されるケースも多くあります。 キリスト教の原点である、キリストとその弟子たちの、家計を全部一緒にした衣食住共同体が原始共産主義の土台であるとされているため、ア…

9. 文学者たちが描いたユートピア

19世紀から現在にかけて最も大きな影響をもったユートピア思想とは、ロシアの文豪レオ・トルストイのものではないでしょうか。 「戦争と平和」で知られるトルストイの作品の中には、「イワンのばか」という彼が理想とする人間像を描いた作品があり、そして徹…

8. 経済学者たちのユートピア

16世紀は、プロテスタントとカトリックなどによる宗教対立争いの一部としてのユートピア的社会造りがみられました。 その後、それが社会問題や経済格差問題が要因として平等や自由、人権などが観点となったユートピア社会への憧れが深まりました。 これが19…

7. モアの与えた影響

~理想郷造りの試み~ モアの作品「ユートピア」は、16世紀当時のヨーロッパで大きな影響を及ぼしました。 そして、モアの作品に影響されて理想的な社会創りを考える人々が世界各地に現れました。 当時の行き詰った状態にあった社会体制に夢と希望を与えたの…

6. 政治家トマス・モアの描くユートピア

モアの本の中では、ある旅人が、理想郷と思える国をモア達の前で開陳するという構成でかかれています。 このユートピアは原始共産主義の思想が反映されているのですが、モア達の時代は、絶対主義の時代に入りかかった頃なので問題になることを避け、それを伝…

5. ユートピアの生みの親 ”トーマス・モア”

今日は、ユートピアの生みの親である、「トマス・モア」について研究していきたいとおもいます。 トマス・モアは、1478年2月7日ロンドンで生まれました。祖父・父ともに法律家で、彼もオクスフォード大学に学んだあと法律の学校に進み、1504年議会で庶民院議…

4. ユートピアとは(4)

ユートピア文学 ユートピア思想の文学といえるものは古くから存在し、歴史とその時代の文学に影響してきました。 古代ギリシャの「ギルガメッシュの牧歌的理想郷」 西洋人がたちが想像した「東洋の桃源郷」 老子の「少国寡民の理想」 プラトンの「国家」 サ…

3. ユートピアとは(3)

世界の理想郷伝説 集団生活を基本とする人間の理想的生活環境とはいったいどうゆうものであるのかと、古代より人々は理想社会を様々に模索しました。そして多くのユートピア伝説が現れ、伝えられてきました。 そしてこの中には実際に存在した可能性が高いユ…

2. ユートピアとは(2)

ユートピア思想とは ユートピア思想というのは、満足できない現状にたいする批判から出発しているのではないのでしょうか。 それが、批判だけではなにもならないことに対し、今度は自分で理想的な社会思想を構築してみることから、さらにそれを何らかの形で…

1. ユートピアとは(1)

理想郷とは、見つけるものではなく造り出すもの ユートピアは「理想郷」や「理想国」、「理想社会」とも言われています。 「ユートピア」という言葉は、もともと16世紀イギリスのヒューマニストで官僚・政治家のトマス・モアが書いた本の題名で、その物語中…

56. 自他共生の精神をもつ自給自足 循環型経済社会の提案

多くの国々が、経済成長をして経済大国になることが幸せだという信仰を持ってきた。歴史的には大航海時代から約500年間、こういう考え方を続けた結果、今、人類の生存を脅かす事態が起こっている。 経済大国を目指す国々は、工業中心の社会を作ってきた。そ…

55. 自給自足共同体  - 参考ケース紹介 - 

埼玉県の「新しき村」 新しき村は、武者小路実篤氏が提唱した「人間らしく生きる」「自己を生かす」生活、社会作りに共鳴した人々と共に始められた運動で、一言で言えば理想的社会を作る運動。自分がよりよく生き、そのことで他人の役にも立ち、お互いの協力…

54. 自然農業、有機農法、無農薬農業

自然農法 財団法人 自然農法国際研究開発センターの公式サイト。 自然農法センターでは、化学肥料や合成農薬に頼らずに、自然界の仕組み、特に土の偉力を最大限に活用する自然農法の技術確立、普及を目指して、試験研究、教育研修、国内外への普及活動に取り…

53. 「共生社会」の提唱   -内閣府の共生社会政策より-

少子・高齢化が急速に進む中で、社会の活力と安定を確保するには、多様な個人が能力を発揮しつつ、自立して共に社会に参加し、支えあう、「共生社会」の形成の視点に立った青少年育成施策、少子・高齢化対策、障害者施策などの総合的な推進が重要です。 この…

51. 自立社会の基本   ユートピアの基本条件は自給自足 

人間が幸せに暮らすことのできる理想的社会を模索するなかで、イギリス人のモアが描いた「ユートピア」は、共同労働による自給自足の自立社会でしたが、これはモアを知っているかどうかにかかわらず、多くの思想家や理想家が追い求めた平和な平等社会にはみ…

50. 東京農大生たちの杉野農場 農業拓殖活動による世界経済の再建

東京農業大学は日本でも最大規模の農業専門大学であり、卒業生たちが海外で活躍していることで知られる大学である。 創設者の英傑榎本武揚は、北海道開拓にも関与した経験から、農業を発展させるためには農民の教育が大切であると痛感し、本学を設立した。そ…

49. 理想的社会造りを考えるNPO 新しい形のユートピア的社会造り

いつの時代にも平和で理想的な社会造りを考える個人やグループが存在しました。しかし、それは同じ理想を共有する人間たちが組織化しなければ無力な構想や理想のままで終わってしまいます。 20世紀は、組織の重要性が実証された時代ですが、21世紀は民間組織…

48. 宗教的社会福祉を実践する大倭教 ~産業、病院、生活圏をまとめた共同体的宗教~

大倭教(おおやまときょう)は、矢追日聖(1911~)が1945年大倭神宮の神前で託宣を受けたとして、立教宣言をし、以来「宗教的社会福祉」を唱え実践してきました。 建設、土木、不動産業を営む「大倭紫陽花邑」の活動、心身障害者施設、老人ホーム、病院などの…

47. コミュニティ「癒しの郷」計画 ~自給自足の小さな共同社会の計画~

私たちは、経済変動や体制変化に影響されない安心の暮らし方を実現しようとしています。難しいことではありません。有為変換があるのは、人為世界(人間の生産で暮らす世界)だけです。自然の世界は安定です。自然の恵み(自然の生産力)の中で暮らすなら、…