ユートピア研究

『見つけ出すもの』ではなく『作り出すもの』、それがユートピア

46. 一燈園 (財団法人 懺悔奉仕 光泉林) ~無所有奉仕共同生活による世界の真の平和への祈り~

一燈園は、明治37年西田天香さんによって創始されたもので、自然にかなった生活をすれば、人は何物をも所有しないでも、また働きを金に換えないでも、許されて生かされるという信条のもとに、つねに懺悔の心を持って、無所有奉仕の生活を行っているところ…

45. わっぱの会知多共働事業所 キーワードは共生・共働 

『わっぱの会知多共働事業所』は2000年4月、愛知県武豊町(名鉄武豊線冨貴駅すぐ)に開設されました。食の基本である『農』を大前提に置いています。直営の農場を耕し、そこでみなで生産した農産物を事業所に持ち帰って加工品にするという、一貫した生…

44. 共働学舎 ~生産的勤労生活共同体 ~障害者との共存共栄~

共働学舎は、キリスト教精神に基づき身体障害者から知的障害者まで平等に生産的勤労生活の場を提供する共同体です。長野や北海道にまで展開する農業中心の農事組合法人のグループと、東京を中心にトイレットペーパー生産やリサイクル事業に従事する社会福祉…

43. 光の都市ダマヌール ~新しい社会モデルの創造に向けた試み~ 北イタリアのアルプスに造られた精神的追求のコミュニティー。

ダマヌールは、北イタリアのアルプスの麓に位置し、ヨーロッパ最大のコミュニティの連合体として、イタリア政府公認のもとで、独自の新しい社会体制を実現している自治体です。 30年以上に及ぶダマヌールの歴史の始まりは、人間の基本的な質問に対する答え…

42. 北スコットランドのフィンドホーン共同体 ~自然との共生のモデル的「聖なる楽園」~

スコットランドの北部にあるインバネスの空港から車で約40分のところにフィンドホーン共同体と呼ばれる不思議な世界があります。 そこは訪れた者から、「人々が植物に語りかけ、天使や妖精達の手によって野菜や花々が生き生きと活気に満ちあふれ、それらの植…

41. ユートピアが売り物のリゾートクラブ ~究極の観光ビジネス~

旅行する人のための宿泊設備がホテルや旅館であるのに対し、理想的な環境に作られた暮らしの設備をお金で買いとりたい人のためにリゾートクラブが作られています。 これは自然から離れてしまった都会に働く人たちに多くの資本をかけて最高の生活環境とサポー…

41. ユートピアを模索する産業 ~シンプルライフを提唱する企業~

㈱良品計画の場合 (無印良品) 写真はアフリカのカメルーン北部の山間地域にある「ディリ」という名前の小さな村です。かつてこの地を旅したフランスの作家、アンドレ・ジイドが「世界で一番美しい村」と称した場所。それがこのディリかもしれない。そんな噂…

40. ユートピア的社会造りを目指す企業 ~企業のユートピア目的~

企業家は事業を起こし、効率的にな利益を上げるために会社を育てていくのが一般ですが、中には、企業家は物を造ることによって社会を豊かにする使命があるという理念をもって事業をしている企業もあれば、始めから、社会造りに貢献することをねらって会社を…

39. 企業のユートピア化 ~生活共同体にまで発展する日本の企業組織~

日本の企業の中には、単に雇い主と労働者との関係ではなく、一つのファミリーとして成長し、どんなに巨大化しようとも役員から従業員まで結束と信頼関係が強い伝統的企業がある。創立者の人徳が大きく、リーダーシップのみならず、従業員に対して親のような…

38. 究極のユートピア 「スペースコロニー構想」 ~宇宙空間につくる数十万人が暮らす都市~

1969年アポロ飛行士の月着陸の成功の時に、世界の人口が当時すでに40億人を突破し、100年後には300億人近くになると試算されている状況から、このまま人口が増加し続けると、地球上の食糧資源や燃料資源がなくなり地球上に人類が生存できなくなることが懸念…

37. 「海市」-もうひとつのユートピア 人情報社会化のユートピア都市の実験モデル

1997年4月19日より7月13日までの約3ヶ月間、東京、西新宿のNTTインターコミュニケーション・センター(ICC)の オープニング記念展として、「海市」-もうひとつのユートピア、(The Mirage City - Another Utopia)と題した展覧会が催されました。主催はICCで、…

36. 知られざる隠れ里 ~北の国に今は痕跡のみを残したユートピアがあった~

ユートピアを造ろうとする試みは昔から現在に至るまで沢山の例を見つけることができるが、その動機や経緯は政治的な発想から、思想的、宗教的と様々である。 この中で、ある国家目的や地方権力者の戦略的考えによって秘密のうちに作られ、誰にも知られること…

35. 建築家たちが描いたユートピア都市 ゼロから建設されたブラジリア

ブラジリアは、街全体がひとつの芸術品です。なにもない荒野に天才芸術家や建築家たちによって描かれ、近代的な建物が設計されました。 そこには、近代建築の巨匠と言われたル・コルビュジエが、あまりにも歴史や伝統がありすぎるヨーロッパでは実現不可能だ…

34. 国宝美術作品「十便図・十宜図」 最高峰の作品となった理想郷を描いた文人画

日本初のノーベル文学賞を受賞した川端康成(1899~1972)は、美術にも深い造詣を持ち、多数の美術品を収集しました。川端は戦後になって本格的に美術品収集を始め、原稿料の多くを注ぎ込みました。川端は、戦後の混乱した世相の中で古いものに新しい力を見…

33. 万国の架け橋を目指した琉球王国 多国文化共生の地

紺碧の海、抜けるような青空。サンゴ礁に抱かれた美(ちゅ)ら海の島・沖縄には、かつてアジアの海を席巻した大貿易国家「琉球王国」が存在した。 世界遺産「琉球王国のグスク関連遺産」は、その四百年の栄華を伝える遺産である。 地を這う龍のようにうねる…

32. 南米のユートピア? インカ帝国 集団を超えた採取社会か、理想的な共同体か

南米ペルーにある世界文化遺産の一つで謎が多い有名な遺跡「空中都市マチュピチュ」は1200年から1532年頃の間に繁栄したと言われるインカ帝国の秘密基地だったと言われています。首都クスコがスペイン人に侵攻され、そしてペルー全土がスペイン人に占領され…

31. 宮崎駿のユートピア文学  現代日本の最高水準のユートピア文学「風の谷のナウシカ」

宮崎駿のマンガ作品には、「ユートピアは可能か、不可能か」という宮崎駿の社会思想の課題追求が感じられます。これについては、「風の谷のナウシカ」の作品について現代におけるユートピア研究者たちの興味深い考察や研究が出ており、この中で特に、稲葉振…

30. 宮沢賢治のイーハトーブ ~ドリームランドとしての岩手県~

イーハトーブとは、宮沢賢治の作品の中にでてくる地名で、夢の国岩手を指していました。 Ihatov (イーハトーブ) は「イワテ」をエスペラント語読みしてドイツ語をmixした宮沢賢治の造語で、賢治が目指した理想郷です。 人道主義と博愛精神に富んだ賢治は、…

29. ドイツの学生たちが作った生活共同体(WG) ~自主共同管理の学生寮~

Yuko, komm bald wieder hierhin zurueck!! これは私が留学期間大半の時を一緒に過ごしたWG(Wohngemeinschft=生活共同体)のメンバーが最後 に私に言ってくれた言葉である。この1年、多くの事を体験できたが、この メンバーに出会い、ここで生活できた事は…

28. マレーシアの「イスラーム村」 ~イスラーム復興運動を担ってきたイスラム団体アルカムの生活共同体~

マレーシアでは、イスラーム復興運動は特にマレー語で「布教、伝道」を意味する宗教用語ダッワー(dakwah/da'wah)*2を用いて、ダッワー運動(gerakan dakwah)と一般に呼ばれている。この運動の主体は、主として大学生、都市中間層といったマレーシアの国家政策…

27. 世界中に現れたヒッピー村

オランダのヒッピー楽園村「クリスティアニア」 ~無政府主義の人民解放国家~ デンマークの首都コペンハーゲンのど真ん中に、軍基地跡をヒッピーたちが占領して作った解放区がある。「クリスティアニア」と呼ばれる自称「独立無政府主義国家」である。現在…

26. デンマークのコハウジング ~共同体(コミュニティ)の実験~

1970年台初め、デンマークで社会的開拓者のグループは、コハウジングとして知られている共同体(コミュニティ)の実験を始めた。コハウジングは現代的な村であり、現在もいくつかの国でしっかりとした基盤がある。住人達が設計し、コミュニティの強い結…

25. エホバの証人の地上天国 ~神の意思と人間の使命~

この「ユートピアへの挑戦」のサイトの見直し作業をし、新しいケーススタディーを探していたところ、我が家の玄関にエホバの証人の家庭訪問伝道者が2人現れた。大変折り目正しい、好感な青年たちで「人生には何の目的があるか」といったスペイン語のパンフ…

24. イスラエルのキブツ   ~独立国家建設への基礎となった共同体~ 

KIBBUTZとはヘブライ語で「集団・集合」を意味する言葉です。イスラエルで生まれた「キブツ」と呼ばれる共同村は、1909年帝政ロシアの迫害を逃れた若いユダヤ人男女の一群が、パレスチナに帰って、最初のキブツ・デガニアをガリラヤ湖畔に作ったところからス…

23. アドベンチストの学園村 ~学業に専念できる環境を提供するには~

アルゼンチンのミシオネス州のアレンという町の郊外にイフバ (I.J.B.A)と呼ばれる全寮制の学校があります。200名ほどの生徒が衣食住を共にし、教職員たちと一緒に働きながら学び、優良な食品を生産し、地域社会に溶け込んだ共同コミュニティーのような存…

22. モルモンが不毛地に築いた楽園   ~開拓精神の勝利~

米国ユタ州は、全人口の60%以上がモルモン教徒だといわれています。もともと、不毛の砂漠地帯を、ブリガム・ヤングというモルモン教の指導者のもと、モルモン街道を進んできた幌馬車隊がこの土地を開拓し、ここに住み着いたという歴史があり、現在でも人口…

21. パラグアイのメノニータ社会   ~平和主義の自給自足社会~

南米・パラグアイに、ドイツやスイスから450年の流浪の旅を経て、約80年前に“安住の地”パラグアイにたどり着いた、「メノニータ」と呼ばれる宗教一派の自給自足社会が存在します。彼等はメノー派キリスト教徒(プロテスタントの一派)たちで、信仰の自由を求…

20. ノアの方舟 (ノアのはこぶね) ~破滅する日本を出て南米に築こうとした共同社会~ 

1970年代に東京に大変な超能力とカリスマをもった女性が現れました。末広千幸は、人の病気を治す力を見せ、日本の政治経済状態についての予言をしてことごとく当て、そして社会問題についての鋭い分析から日本は破滅の危機にあることを公言しました。彼女は…

19. ヤマギシの村   ~無所有一体思想~

ヤマギシの村は、1953年に養鶏家の山岸巳代蔵という人が考案した思想体系(「無所有一体」等)を元に、集団農場での共同生活・お金のいらない自給自足を目指した理想社会の建設に力を注ぎ、健康な野菜や卵を目玉とするヤマギシ農場を日本全国に39箇所、海…

18. シュタイナーの「ひびきの村」   ~神秘主義の人智学共同体~ 

「ひびきの村」はユーゴスラビア(現クロアチア)のクラルイエベック生まれの思想家ルドルフ・シュタイナー(1861年-1925年)の世界観を基にして共に働き、学び、生きることを目指す人々のための場所です。 ルドルフ・シュタイナーはすべての人が自由に、平…