ユートピア研究

『見つけ出すもの』ではなく『作り出すもの』、それがユートピア

23. クエーカーの信仰の特質

 友会徒は、すべての人の心のうちに常に神の力が働いていることを信じる。

 

このことを「内なる光」、「内なるキリスト」あるいは「キリストの種」などという。これがキリスト友会の信仰の基本である。

 

 

このように神が、わたくしたち一人一人に直接語り、そしてきき給うとの信仰から、キリスト友会では、静黙のうちに座して神の声に心を傾ける「待ち望む礼拝会」が持たれる。

 

 

この中で神の声に促されて祈ることや、メッセージを述べることは、誰にも自由に与えられている。

 

 

そこに集った人たちの心が、集りの中に共に在す聖霊によって互いに結び合わされ、霊による一致にまで高められていくことによって、すべての人に限りない慰めと平安が与えられ、活力に満される。

 

すべての人に等しく神の力が働き、神との交りは直接であることから、キリスト友会では、特定の人を聖職者に任ずることはない。

 

また、洗礼や聖餐については、これを純然たる霊的体験であると考える。信仰箇条についても、宗教体験は窮極においては個人のものであるとすることや、書かれた信条はともすれぱ固定化して生命を失うとの考えから、これを定めることをしない。

 

さらに友会徒は、聖書についてもそれが神の啓示に基づく貴重な記録であるとはするが、啓示そのものではなく、内なる光によって解釈されるときに最も有益なものとなると考えている。