21. クエーカーとは
キリスト友会(クエーカー)は、17世紀の英国でジョージ・フォックスなどによって始められました。
礼拝は、静かな沈黙の中に、参加者が共に神の働きかけをひたすら待ち望みます。各自が神と直接交わることを強調し、信仰を生活の中で具体的に実践します。
生活は、「簡素」を旨としています。
一切の差別を排し、非戦、非暴力の積極的な「平和」の実践を強調しています。
クエーカーは、キリスト教文化の中で、最も理解されていない伝統の一つでしょう。
キリストの光に対する全面的で誠実な献身であると信じるところを静かにしかし頑なに守り続けています。
つまり、クエーカーのモットーとするところの絶対的な平和主義と誠実であることへの献身が、彼らをして社会の他の人々と衝突する茨の道を歩ませることになってきました。また同時に、クエーカーは独り善がりになり過ぎるという、あながち的外れでない批判もしばしば受けてきました。
クエーカーたちは社会のあらゆる場所で、そして大抵の国で見受けられます。
彼らは教育や科学といった心理を探求する職業で重要な代表者です。また科学や経済学の分野でノーベル賞を受賞したものもいます。
クエーカーが主宰している海外援助団体、友会奉仕団は、米国の平和部隊や他の同様な組織のモデルとなったばかりか、ノーベル平和賞を授与されてもいます。
ドグマ(教条主義)に対する反発から、クエーカーは聖書を唯一の拠り所とし、それ以外は一切認めていません。
そして、その聖書でさえも、神の言葉そのものを文字にしたものとしてではなく、神から啓示を受けた人々のおおいなる証言としてのみ捉えてきました。
重点が置かれたのはそれよりむしろ、キリストとの直接の交りと直接体験することを目的とした各人の学習、祈り、そして瞑想です。
そうはいうものの、クエーカーは教育の分野でも長い伝統がありますので、その結果として、数世紀にわたり、数多くの書き物を世に出してきました。