1997年4月19日より7月13日までの約3ヶ月間、東京、西新宿のNTTインターコミュニケーション・センター(ICC)の オープニング記念展として、「海市」-もうひとつのユートピア、(The Mirage City - Another Utopia)と題した展覧会が催されました。主催はICCで、…
ユートピアを造ろうとする試みは昔から現在に至るまで沢山の例を見つけることができるが、その動機や経緯は政治的な発想から、思想的、宗教的と様々である。 この中で、ある国家目的や地方権力者の戦略的考えによって秘密のうちに作られ、誰にも知られること…
ブラジリアは、街全体がひとつの芸術品です。なにもない荒野に天才芸術家や建築家たちによって描かれ、近代的な建物が設計されました。 そこには、近代建築の巨匠と言われたル・コルビュジエが、あまりにも歴史や伝統がありすぎるヨーロッパでは実現不可能だ…
日本初のノーベル文学賞を受賞した川端康成(1899~1972)は、美術にも深い造詣を持ち、多数の美術品を収集しました。川端は戦後になって本格的に美術品収集を始め、原稿料の多くを注ぎ込みました。川端は、戦後の混乱した世相の中で古いものに新しい力を見…
紺碧の海、抜けるような青空。サンゴ礁に抱かれた美(ちゅ)ら海の島・沖縄には、かつてアジアの海を席巻した大貿易国家「琉球王国」が存在した。 世界遺産「琉球王国のグスク関連遺産」は、その四百年の栄華を伝える遺産である。 地を這う龍のようにうねる…
南米ペルーにある世界文化遺産の一つで謎が多い有名な遺跡「空中都市マチュピチュ」は1200年から1532年頃の間に繁栄したと言われるインカ帝国の秘密基地だったと言われています。首都クスコがスペイン人に侵攻され、そしてペルー全土がスペイン人に占領され…
宮崎駿のマンガ作品には、「ユートピアは可能か、不可能か」という宮崎駿の社会思想の課題追求が感じられます。これについては、「風の谷のナウシカ」の作品について現代におけるユートピア研究者たちの興味深い考察や研究が出ており、この中で特に、稲葉振…
イーハトーブとは、宮沢賢治の作品の中にでてくる地名で、夢の国岩手を指していました。 Ihatov (イーハトーブ) は「イワテ」をエスペラント語読みしてドイツ語をmixした宮沢賢治の造語で、賢治が目指した理想郷です。 人道主義と博愛精神に富んだ賢治は、…
Yuko, komm bald wieder hierhin zurueck!! これは私が留学期間大半の時を一緒に過ごしたWG(Wohngemeinschft=生活共同体)のメンバーが最後 に私に言ってくれた言葉である。この1年、多くの事を体験できたが、この メンバーに出会い、ここで生活できた事は…
マレーシアでは、イスラーム復興運動は特にマレー語で「布教、伝道」を意味する宗教用語ダッワー(dakwah/da'wah)*2を用いて、ダッワー運動(gerakan dakwah)と一般に呼ばれている。この運動の主体は、主として大学生、都市中間層といったマレーシアの国家政策…
オランダのヒッピー楽園村「クリスティアニア」 ~無政府主義の人民解放国家~ デンマークの首都コペンハーゲンのど真ん中に、軍基地跡をヒッピーたちが占領して作った解放区がある。「クリスティアニア」と呼ばれる自称「独立無政府主義国家」である。現在…
1970年台初め、デンマークで社会的開拓者のグループは、コハウジングとして知られている共同体(コミュニティ)の実験を始めた。コハウジングは現代的な村であり、現在もいくつかの国でしっかりとした基盤がある。住人達が設計し、コミュニティの強い結…
この「ユートピアへの挑戦」のサイトの見直し作業をし、新しいケーススタディーを探していたところ、我が家の玄関にエホバの証人の家庭訪問伝道者が2人現れた。大変折り目正しい、好感な青年たちで「人生には何の目的があるか」といったスペイン語のパンフ…
KIBBUTZとはヘブライ語で「集団・集合」を意味する言葉です。イスラエルで生まれた「キブツ」と呼ばれる共同村は、1909年帝政ロシアの迫害を逃れた若いユダヤ人男女の一群が、パレスチナに帰って、最初のキブツ・デガニアをガリラヤ湖畔に作ったところからス…
アルゼンチンのミシオネス州のアレンという町の郊外にイフバ (I.J.B.A)と呼ばれる全寮制の学校があります。200名ほどの生徒が衣食住を共にし、教職員たちと一緒に働きながら学び、優良な食品を生産し、地域社会に溶け込んだ共同コミュニティーのような存…
米国ユタ州は、全人口の60%以上がモルモン教徒だといわれています。もともと、不毛の砂漠地帯を、ブリガム・ヤングというモルモン教の指導者のもと、モルモン街道を進んできた幌馬車隊がこの土地を開拓し、ここに住み着いたという歴史があり、現在でも人口…
南米・パラグアイに、ドイツやスイスから450年の流浪の旅を経て、約80年前に“安住の地”パラグアイにたどり着いた、「メノニータ」と呼ばれる宗教一派の自給自足社会が存在します。彼等はメノー派キリスト教徒(プロテスタントの一派)たちで、信仰の自由を求…
1970年代に東京に大変な超能力とカリスマをもった女性が現れました。末広千幸は、人の病気を治す力を見せ、日本の政治経済状態についての予言をしてことごとく当て、そして社会問題についての鋭い分析から日本は破滅の危機にあることを公言しました。彼女は…
ヤマギシの村は、1953年に養鶏家の山岸巳代蔵という人が考案した思想体系(「無所有一体」等)を元に、集団農場での共同生活・お金のいらない自給自足を目指した理想社会の建設に力を注ぎ、健康な野菜や卵を目玉とするヤマギシ農場を日本全国に39箇所、海…
「ひびきの村」はユーゴスラビア(現クロアチア)のクラルイエベック生まれの思想家ルドルフ・シュタイナー(1861年-1925年)の世界観を基にして共に働き、学び、生きることを目指す人々のための場所です。 ルドルフ・シュタイナーはすべての人が自由に、平…